まさなつ

大地のうたのまさなつのレビュー・感想・評価

大地のうた(1955年製作の映画)
4.3
監督や評論家のオールタイムベストや、アジアの代表作というと必ずあがってくるサタジェット・レイ監督の代表作。DVDだけどようやく観られました。

インド映画と言っても、昨今のエンタメ系とは全く違う作風です。当然、華やかな歌や踊りはない。あるのは貧しくも健気に生きてる生身の人々の姿だけ。

大地にしっかり根をはったような土着的な作品で、力強さに圧倒されます。

経済力ない父親と、いつも不満顔の母親と姉弟とあばさんの5人家族。

貧しさゆえ、様々な辛いことが波のように押し寄せる。それでも生きていく人々の姿は、たとえ言葉がなくとも、ヒシヒシと伝わってきます。静かですが感動的です。

風に揺れるススキノ原を歩く姉弟。そこに汽車が走ってくるシーンの美しさたるや!ハスの池や豪雨の中を姉が髪を振り回すシーンも良かった。
モノクロですが自然の素の描写がとても美しいです。

三部作の一作目なので、続きも早く観たい!
まさなつ

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