冷蔵庫とプリンター

ショー・ミー・ラヴの冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

ショー・ミー・ラヴ(1998年製作の映画)
5.0
今まで見たティーン映画の中で一番良い。

原題にFワードが付いていることから「なんかヤバそう」と思っていたが、わりと王道。ちなみに原題の"Åmål"はスウェーデンの地名らしく、したがってタイトルは「クソ田舎」ぐらいの意味になる(劇中の台詞にもある)

「レディバード」「ブックスマート」「ゴーストワールド」あたりをイメージしてもらえばどんな映画かわかると思うが、本作がそれらと決定的に異なるのは、ティーンエイジにおける「友達」など、全く当てにならないという残酷な現実感覚である。

他者との適切な距離感などわかるはずもない十代の少年少女は、何の躊躇いもなく鋭利な刃で他人を傷つける。
十代の純粋な残酷性を描いた今作を見た後では、穢れなき仲間との友情や連帯を描いたティーン映画など、すべて絵空事にしか見えなくなる。

イングマールベルイマンも今作をフェイバリットにあげているらしい。納得。