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親密すぎるうちあけ話のkojikojiのレビュー・感想・評価

親密すぎるうちあけ話(2004年製作の映画)
3.5
2004年 フランス映画 監督はパトリス・ルコント

 フランスの恋愛映画で「性」を題材にする映画については、私はこれまで評価がはっきり2つ別れていた。
 官能的で、重厚に上り詰めていく素晴らしい映画と、理屈っぽいがなんだか浅い感じの、斜面を転がっていくようなつまらない映画だ。
 残念ながら私が観たフランス映画は結構後者が多かった。しかもこの後者の映画はやたらと理屈を捏ねまわすように思えるのだ。後者の代表格が「エマニュエル夫人」。
 それもあってか、しばらくフランス映画を見る気になれなかった時期もあった。
実はこの作品、前半はこの嫌な記憶が蘇った。

 ある日主人公の税理士ウィリアム(ファブリス・ルキーニ)の事務所に、精神分析クリニックと間違えて入ってきた女性アンナ(サンドリーヌ・ボネール)が赤裸々に胸の内を語りだす。彼は仕方なく聞いていたが、二回目の時真実を語るが、彼女は毎週、彼の元にやってきては、夫との「性」生活を語り続ける。この会話を続けることで次第に二人に奇妙な愛情が芽生えてくる。

 監督パトリス・ルコントの得意の分野の映画だが、後半の中頃まで少々退屈で寝落ちする場面もあった。後半はさすがにルコント監督、帳尻を合わせて来たように思う。ただ、主人公の税理士があまり魅力的でなく、彼女が恋に落ちる相手かなあと疑問も残った。

 出演は「マドモワゼル」のサンドリーヌ・ボネール。謎の女の役柄の彼女が前半はあまり魅力的でなかったのも、最初盛り上がらなかった原因の一つ。ただラストはしっかり見せてくれた。

2022.11.17視聴-509
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