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かもめの城のturkeyのレビュー・感想・評価

かもめの城(1965年製作の映画)
5.0
淀長さんの日曜洋画劇場で見た「シベールの日曜日」、思春期真っ只中、人間不信に浸っていた頃、アンリ・ドカエの美しい画面と薄幸のシベール、とてもとてもナイーブ過ぎた自分に突き刺さった忘れ難い作品。
そのパトリシア・ゴッジ主演の本作、これも日曜洋画劇場だったかもしれない。(その後、テレ東で1回、DVDで1回観てる)
作品の出来としては「シベール〜」だけど、思春期を迎え子供と大人の狭間にいるアニエスは、より自分を投影しやすい対象だった。
エキセントリックで余りに自意識過剰な少女が恋をして大人になる、そして最後、心を閉ざしていた少女が「お父さま帰りましょう、雨になるわ」と絶望の果ての寛容に辿り着く哀しい成長譚。(アニエスは畑でも耕し健康を取り戻しながら父親と二人で暮らしていく、そんな希望も感じるラスト)
「シベール〜」の寓話性から飛び出し一人の女として生々しく演じる本作、僕はシベールの素晴らしい出来より生身の危うい生臭さのある本作が贔屓。

’70年代の映画雑誌で販売してた本作のスチール写真(四つ切・5〜7枚くらい)を持ってたんだけど、結婚した時、嫁さんに「ロリコンと誤解される」と恐れて処分したのは生涯の愚行。(笑)

※本作といいJ・スティーブンスの「アンネの日記」といい、カモメは自由の象徴なんだね、「鳥」は違うけど。
※あの家の立地、何処かで・・・だったけど「ブラック・ジャック」かい?(汗)
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