過去にタイムリープして、”未来に戻る側の自分”はいいのだけど、”未来からタイムリープされた側の自分”はその後どういう未来をおくるんだろうか?
~タイムリープもの vol1~
「バタフライエフェクト」というのは、チョウが羽を動かすだけで、遠くの気象が変化するという、もとは気象学用語だそう。
ちょうど、日本の
「風が吹けば桶屋が儲かる」
と同じような話で、ちょっとした発端が、巡り巡って連鎖して思わぬことを引き起こす。
この映画は、過去のある事象をちょこっと変えるだけで未来が変わるという話です。
思えば、過去を変えて、未来を変えるという映画の大ヒット作といえば、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
日本で上演されたのは1985年で、それから10年ぐらい経過する本作が、何を差別化したのか?
過去と未来を行き来するのに車に乗るか、戦車に乗るかの違いではなく、決定的に違うのは、
「自分が自分自身の過去に戻る(入り込む)」
ということ。
普通のタイムマシンものは、自分が生まれていない太古の昔に戻るならいざしらず、自分がいた時代に戻るとなると面倒。
戻った時代の自分と鉢合わせしたりなんかするとさらに事は厄介になる。
でも逆にそういうタイムパラドックスが面白く、いろんなドラマが生まれているのも事実。
本作は、主人公が少年期から書きためた日記をタイムトンネルのフックとして、書いた時期、書いている内容の場面に自由に戻ることができる。
戻ったらどうするかというと、そこで自身の言動を変える。
すると、どうなるか。
未来が書き換えられる。
例えば、非常にやばい状態に主人公が置かれたとき、日記を観て、一気にそれを書いた少年期にタイムスリップする。
そこで、ちょこっと言動を変える。
そしてまた、一気に大人にタイムスリップして戻ったら、やばい状態から脱している。
なんと非常に便利な日記なんです!!
でも、決して良いことばかりじゃなくて、リスクもあるのがミソ。
ちょうど、日本の
「あちらを立てればこちらが立たず」
と同じような話で、自分はラッキーでも、自分の周りの人間に不幸な未来が訪れることもしばしばなんです。
この自分の未来と周りの未来を天秤にかけることで揺れ動く主人公の心模様が主なテーマとなります。
ちなみに、前半わりとホラーチックで、いきなり効果音がどーん!となって、シーンがカットインされる手法が多用されるので、夜中観てるとびっくりします。
ちなみに、レンタルDVDの付録には本作のエンディングとは別の終わり方をする別パターンが2つ付いていて、監督らのコメント聞くと、2つのパターンとも「いけてない」と合意しているのだけど、じゃあなんで別パターン撮ったんだろうかと?
制作サイドとの綱引きとか、大人の事情でもあったんでしょうか?
ちなみに、映画のタイムリープに矛盾を感じたしだい
—戻り点1—戻り点2— 戻り点3———————-大人の自分
例えば、大人の自分が戻り点1にタイムリープします。
そこで言動を変えます。
戻り点2以降の未来が変わります。
あるいは消滅します。
だから戻り点2とか、戻り点3には、もう戻れないはず。。。
なんだけど、この映画、主人公は戻り点1、2、3に自在に戻れてるような・・・気のせいかな?