広島カップ

プレデターの広島カップのレビュー・感想・評価

プレデター(1987年製作の映画)
4.0
最強の見えない敵プレデター。
木遁の術やら土遁の術を手元のボタン操作一発でやってのける未来惑星型忍者。

身を隠せる場所だらけの南米のジャングルに潜んでいるという設定も堪らない。
しかも操る武器が手裏剣や仕込み吹き矢のような生易しい物ではなく赤外線照準器?付き一発必中凶悪光線銃だからこれも堪らない。
更に現在のコロナ対策にも応用できそうな発熱者を見つける地球人探査装置も当時画期的で、これにより地球人は密林でも丸裸にされるので堪らない。
更に更に奴の散り際がまた見事。己死すとも敵を倒すという戦士の鑑。
色恋沙汰なんかあっちへ行け!政治的経済的宗教的な目的なんかも眼中に無い!家族も家計も俺は知らない!地球侵略なんかもモウどうでもいいッ!俺は目の前の相手を倒す事以外に興味は無いんだあっ!モンクあっかッ!という最後に見せる単細胞的に面妖な顔貌がまたまた魅力的。
つまりはパーフェクトな最凶戦士要素の多層構造なのでした。

完璧な戦闘能力を持つこやつに対するのが地球最強コマンダーのシュワちゃん。
もしもシュワちゃんが奴の餌食になり彼のぶっとい二の腕が皮剥ぎの刑にされたらと思うと気色悪くて堪らない。

カール・ウェザースも出ている故、仮の話しですけどこの役をスタちゃんがやっていたとしたらどうなったか?と思います。
皮剥きの刑の件は置いとくとして、同じ肉体系でもなんとなくパワー不足というか雰囲気不足。南米のジャングルで暴れるには情に厚いイタリア系ではなく情け無用?のドイツ系の方がなんとなく強そう(?)。また正攻法に相手をブン殴るという雰囲気よりは不死身系の匂いを持つシュワちゃんの方が対決ムードが盛り上がる。地球側も本腰入れて最強をぶつけて来ている感じが強くなる。

身を消しているプレデターを見えないけれどなんとなくその姿を感づく特殊部隊の兵士の一人ビリー(ソニー・ランダム)。
作品の中にこういう第六感的な闘いというのを入れて来ているのが実にいい。
彼はアメリカ先住民族の香りを振り撒いていますし後の『プレデターズ』(2010)では東洋人が一人混じってそんな役割を担っていましたがこうした配役が作品に幅を持たせるのですね。
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