フロントスカイ

吸血鬼のフロントスカイのレビュー・感想・評価

吸血鬼(1932年製作の映画)
4.7
「カール・テオドア・ドライヤー セレクションvol.2」
カール・テオドア・ドライヤーがあの名作『裁かるゝジャンヌ』に続いて1932年に手がけた作品。
彼にとって初のトーキー映画は、吸血鬼ホラー。前作とは全く違ったジャンルを全く違った狙いで作った作品。

吸血鬼の棲家に足を踏み入れた青年の恐怖を最小限のセリフ、光と影、二重露光といった撮影テクニックによる映像、音響などにより緊張感たっぷりに描き出す。
現実と非現実の世界を幻想的な雰囲気で描き、そのせいか必然的にストーリーが少しわかりにくくなっているような...

映画ならではの映像表現による凝った語り口で、幻想的な雰囲気の描写がとても魅力的な映画だった。