こたつむり

ラッキーナンバー7のこたつむりのレビュー・感想・評価

ラッキーナンバー7(2006年製作の映画)
3.7
♪ 言ってしまえば僕らなんか
  似せて作ったマガイモノです

ラッキーナンバー。
やっぱり一桁の数字から選ぶのが普通なんですよね?小数とか分数とか無理数を選んだらダメなんですよね?確かにラッキーナンバー√2とか言われても、その番号が来る可能性は限りなくゼロですが。

何はともあれ、本作の場合は『7』。
ある男が競馬で7枠に賭けたことから始まる物語…なのですが、実は邦題と原題で番号が違うんですね。邦題は『7』ですが、原題では『Slevin』。つまり、人の名前なのです。

これって結構大きな違いですよ。
しかも、物語の構造からして伏線を張り巡らせ、先が読めない展開が“売り”ですから、小さな変更でも全体に及ぼす印象は変わってくるのです。

なんてことを書きましたけれども。
これはネタバレを避けるための“フェイク”かもしれないので、騙されないように御注意ください。世の中、一寸先は闇ですからね。

ただ、もう少し爽快感が欲しかったのは事実。
「先が読めない=ストレスが溜まる」わけですから、オセロの盤面で黒が一斉に白になるように「あっ」と驚く瞬間があっても良かったと思うんです。

それに配役もかなり微妙なライン。
モーガン・フリーマンとベン・キングズレーがマフィア役なんですが、どちらも人が好い雰囲気を醸しちゃっているので、緊迫感に欠けるんですよね。

勿論、それらも伏線の一種…の可能性もないわけでもないので「着地点は何処かな」と探る“材料”にはなるんですが…それが功を奏したかどうかは…別の話。

まあ、そんなわけで。
着地点が見えないサスペンス映画としては地味ながらも佳作。色々と不満はありますが、ホームランではなく四球で出塁すれば良い、くらいの気持ちで臨めばハズレないと思います。

最後に余談として。
ラッキーナンバーがあるならば、ラッキー元素があっても良い気がしました。めざましテレビとかで「今日のラッキーは水素!アンラッキーはラジウムです!」みたいな感じで教えてくれるのです。ダメかな?
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