ヒデ

2001年宇宙の旅のヒデのレビュー・感想・評価

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)
3.9
≪あなた方は私の回路を切ろうとした。許せない無謀な行為だ≫

宇宙船の制御を司る人工知能“HAL 9000”が暴走してしまい、宇宙飛行士が窮地に追いやられるお話。

1968年にこの作品を作ったことが信じられない。まだ人類が月面着陸もしていない頃にこれだけの映像をどう撮ったのだろう。グリップシューズで壁を歩いて進むアテンダントや、シャドーボクシングしながら無重力空間を走る宇宙飛行士など、絵的にワクワクするシーンがとても多かった。

声紋識別やTV電話、AIによる業務サポートは今では当たり前だけど、50年以上前にその"当たり前"を予言しているのがヤバい。特にAIの隆盛なんてここ最近の話なのに。そういった人類が作り上げた文明が、人類の生活を破壊していく可能性があるのを示唆してのも凄い。

冒頭の原始時代のシーンは結構困惑したけど、猿人が投げた骨が宇宙船に変わるジャンプカットにはびっくりした。

終盤の「木星と無限のかなた」の章について初見で意味を理解するのは無理だな…。モノリスという存在についてしばらく考えさせられてしまった。


以下、セリフメモ。


「この2週間、クラビウス基地で奇怪なことが起こっている」

「世紀の大発見を隠すにあたって使った方法で、諸君の中に反感を覚えた者も多いと思う。殊に世間を欺くために流された"伝染病蔓延説"に対してだ」

≪今回の任務に対し、疑問を抱いてはいません?この任務には腑に落ちない点がある≫

「方法は一つです。HALが故障しているとなると接続を切るしかない」

(論理記憶端末を外されて)
≪私は最近過った判断を下しました。でも正常に戻ることを確約します。やめてください。デイブ。やめて。怖いよ。≫

「これは出発に先立って録画され、HAL9000コンピュータだけに知らされていた。しかし木星圏内に到達し、全員が冬眠から目覚めたので明らかにする。18ヶ月前、地球内にも知的生命が存在する証拠を発見した」
ヒデ

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