masahitotenma

禁じられた遊びのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

禁じられた遊び(1952年製作の映画)
4.5
ルネ・クレマン監督が、愛らしい少女の姿に反戦の思いをこめた叙情溢れる名作。
原作はフランソワ・ボワイエの同名小説。
ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞。
原題: Jeux interdits  (1952)

1940年6月、パリから逃げる途中、ドイツ軍の機銃掃射で、5歳の少女ポーレット(ブリジット・フォッセー)は両親と愛犬を失う。
貧しい農家の少年、11歳のミシェル(ジョルジュ・プージュリー)と出会ったポーレットは、ミシェルから「死んだものにはお墓を作るんだよ」と教えられ、犬の死骸を人の来ない水車小屋に埋葬する。
愛犬がひとりぼっちでかわいそうだというポーレットのためにミシェルは、モグラやヒヨコなどの動物や昆虫の死骸を集めて、次々に墓を作り十字架を立てていく。
2人の十字架遊びはエスカレートし、ミシェルは教会や霊柩車からも十字架を盗み出す…。

「100年、守って」

「ポーレット・ドレ 5歳」

「ミッシェル…ママ…ミッシェル」

死の意味をまだよく分からない純真な幼い少女を演じたブリジット・フォッセー。
ロベール・ジュイヤールによるモノクロカメラの絵画的美しさ。
ナルシソ・イエペスのギター演奏による主題曲「愛のロマンス」の哀愁に満ちた旋律。
死骸で遊ぶ無邪気な子どもたちに込めたルネ・クレマン監督のテーマ。
駅の雑踏でのラストシーンが切なく、胸が痛む。
中学生の時テレビで見たこの映画と「シェーン」が私と映画との出会い。したがって、私のベスト作はいつまでもこの作品。
masahitotenma

masahitotenma