冷蔵庫とプリンター

我等の仲間の冷蔵庫とプリンターのネタバレレビュー・内容・結末

我等の仲間(1936年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 「我らの家」というレストランを開くことを決めた5人の仲間たちが、叶わぬ恋や悪女の誘惑、不慮の事故によってバラバラにされていき、最後に残った2人のうち1人がもう1人を殺してしまうという悲劇的なドラマ。
 宝くじの高額当選、それでもなおラルジャンの誘いを断ち切って固く結ばれたかに見えた友情、そこに易々と亀裂を入れる女という構図は、さながら友情と金と情欲による三つ巴のじゃんけん勝負の様相を呈しているが、「労働者の旗」を掲げようとして死んだタンタンや店の権利の大半を手にするに至る資本家の存在が、結局のところ友情は金にすら打ち克つことができないという現実を表している。
 嵐で瓦が飛ばないように屋根の上で5人並んで寝そべるシーンや、宴が一瞬で通夜へと変貌するシーンなど、喜びと悲しみを大胆に並置させたストーリーテリングの妙が楽しめる。抗い難い運命によって友情が脆くも崩れ去る様は「詩的レアリスム」の特徴を端的に示してすらいる。
 ジュリアン・デュヴィヴィエはパッとしない映画も撮っているが、たまにこういう傑作があるから侮れない。
 ヴィヴィアーヌ・ロマンス演じる「金に目がない女」ジーナも、説得力のある蠱惑ぶりを存分に発揮していて素晴らしかった。