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暴力に挑む男のmhのレビュー・感想・評価

暴力に挑む男(1943年製作の映画)
5.0
ノルウェーの旗が上がっているという異常事態に、その村を訪れると、ドイツ軍とノルウェー市民がどっちも全滅しているここでいったいなにがあったという抜群のフックでスタート。ナチスドイツの支配に抵抗するノルウェー市民たちの死闘が題材のエンタメ戦争もの。
・レジスタンス活動の気配がある村の住民を締め上げる悪いドイツ軍。
・イギリスが主導しているヨーロッパのレジスタンス活動。
・味方側にナチスドイツの内通者あり。
・ナチスドイツ側にもイギリスのスパイが入り込んでいる。
・教会の神父もレジスタンスより。
・活躍する村の老人と女性たち。
シチュエーション的に「暁の勝利(1942年)」とよく似ているけど、こっちのほうが重層的。絵面のかっこよさもこっちのほうが上。
とくに、
・牧師の機関銃!(一触即発の状況を収めるのに鐘を鳴らしたという伏線があって、今回もそれかと思わせて、あにはからんや機関銃を窓枠に乗っけるのロバート・ロドリゲスかな?)
・戦う女性が最高。
このあたりはかっこいいの針振り切っていた。
系統としては「パリは燃えているか」に近い感じ。これ見て熱くなるのは心情としてわかるけど、そもそも極端なナショナリズムが戦争の原因になってるんだけどね面白いからまっいいか!という良くないあれ。
英語版ウィキベディアによれば、戦地からの上映リクエストが多かったベスト5だったとのこと。ほかは「マイ・フレンド・フリッカ 緑園の名馬(1943年)」「Hit Parade of 1943(1943年/Filmarks未登録)」「高度20,000フィート(1943年)」「ハロー、フリスコ、ハロー(1943)」とのことで全然知らんのばっかだね。
それにつけてもルイス・マイルストンは不思議な監督ですね。反戦映画の傑作「西部戦線異状なし」で世に出たはずなのに、こんなベタベタなプロパガンダもものにする。これまで見た中でイチニを争う珍作(だが大ヒット作)「パープルハート」がこのあとに控えてる。ほんと変な監督だと思う。
面白かった!
mh

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