Nana

エル・スールのNanaのレビュー・感想・評価

エル・スール(1982年製作の映画)
3.4
ビクトルエリス監督の代表作パート2。
倍くらいの長さにする予定が、予算の関係で半分くらいで終わったって、嘘みたいなホントの作品。

「瞳を閉じて」もそうだったけど、この監督の作品は眠くなる。
映像は美しく、どの一瞬も絵画のように美しい。特にオープニングの窓の光を使ったシーンは、息を飲むような神々しさがあったけど、気を許すと寝てしまい、DVDを見終わるのに3日くらいかかってしまった…

ヒロインは星子(Estrella)ちゃん。
夜明けで星が地平線に沈む頃、彼女は父の死を悟る。
酷いぜ、親父。

後は父のことを回想するシーンへ。
振り子をつかって水源を当てるようなエキセントリックなパパ。
内戦前に父と喧嘩したり刑務所に入ったりいろいろあって、今は寒い北にいる。
かなりマイペースというか、大人になりきれないパパと、早く大人になりたい娘。

エルスール(南)は父が忘れようとした過去、そしてエストレージャの憧れ。
ベッドの下に隠れて抗議する娘と、探さないで黙って床を打って苦しみを伝える父。
ママはいい人に見えたし、素敵なお家に住んで、わんこも可愛いのに?なぜ父と娘がそんなに苦しんでいたのか、よく分からなかった。

父が女優に恋したように、空想の世界と現実の折り合いがつかなくなったのは分かるけど…娘は父の愛情不足?
男の子が出てきたら、急にクールになっちゃった。
☆ te quiero(星子大好き)の落書きが可愛い。

エルスールで星子が何を感じたか想像するしかないのが、悲しいようで楽しい。
ママとわんこを呼んで、これからはあったかいところでミラグロスと笑って暮らして欲しい。パパの分も。

しかし元カノの名前書いたのとか、映画見たのとか、手紙書いてるとこ、みんな娘に見つかって、パパのプライバシー無さすぎ笑
Nana

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