菩薩

いつか見た青い空の菩薩のレビュー・感想・評価

いつか見た青い空(1965年製作の映画)
4.0
流石シドニー・ポワチエと言わせんばかりの無双っぷり。視力を失っていて、オカンがセックスワーカーで、ジジイはアル中で、ほぼ自宅軟禁状態で無教育で家事労働させられてて、と要素てんこ盛りお嬢ちゃんをそんな環境から救い出そうとするぐう聖のポワチエ。そんな彼女がかつてオカンの客にレイプされている設定、いらん様にも思えるけど彼女の脆さを象徴するエピソードとして意味あると思うし、それがポワチエとの関係が性愛に基づくそれに発展するのを妨げる要因にもなっている。あのまま「じゃ、結婚すっか」と二つ返事をしてしまったらやっぱり違くて、ポワチエの目的はあくまでまずは彼女の生活レベルの向上ってのが清い。肌の色も、それぞれが抱えるトラウマめいた経験も純愛の前では無力。こう言う古典的良作はちゃんと一般流通しないとダメだって。オカンとジジイの壮絶な親子喧嘩がアパートの住人も巻き込んでの騒動に発展して謎の手打ちで終わるとこめっちゃオモロい。
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