このレビューはネタバレを含みます
「皆さん、世間がなんと言おうと騙されないで。息子は殺してない!」
知能にハンディキャップを持つ青年が女子高生殺害容疑で逮捕され、その母親が息子の冤罪を晴らすために奔走する話。
最初はジンテ(ワルい友達)が真犯人なのかと思ってたら、まさかトジュン本人だったとは…。最後、殺した記憶を失って「なんでジョンパルは屋上は死体を運んだんだろう?」って言ってるトジュンがめっちゃ怖かった。というか農薬飲ませてた母親もマジでヤバい。
貧困から援交を繰り返していた女子高生、
そこに付け入った廃品回収業者、痴呆症を患う被害者の祖母、そして息子への歪んだ愛から兇行に走る母親…救いのないパズルが噛み合って悲惨な事件へと繋がっていく様は絶望そのもの。
冒頭のダンスシーンが回収されるラストは見事だった。嫌なことを忘れるツボ(太もも)に鍼を刺す、という複線も効いている。
以下、セリフメモ。
「ムン・アジョン殺害容疑で逮捕する」
「なぜうちの子が!?」
「遺体の近くからこんな物(ゴルフボール)が見つかった」
「なんてバカなことを!なぜ拇印を押したの?」
「お前なら知ってるだろう?トジュンは虫も殺せない子だよ?」
「2002年日韓W杯を覚えてますか?あれからもうドイツW杯です。4年なんてすぐだ。トジュンを4年だけ(刑務所に)入れよう」
「おばさん。一番不可解なのは?屋上だ。まるで見てくれと言ってるかのよう。普通は埋めるだろ」
「誰一人信じるな。俺も信じるな。その手で犯人を捜すんだ」
「大事なことを思い出した。母さんが俺を殺そうとしたこと。5歳の時だろ?栄養ドリンクに農薬を混ぜて殺そうとした」
「心中しようとしたのよ。お前と私は一心同体。二人きりだから…」
「おじさんもアジョンの彼氏?さすが"米餅少女"だ。米をもらって餅をつく(ヤる)少女」
「アジョンの携帯。写真が公開されたらヤバいやつは大勢いる。携帯が核爆弾になるわけさ」
「犯人はもっと…白髪の男だった」
「私のことを知ってるの?わたしは男が嫌い。だから話し掛けないで。"バカ野郎"!」
「違う!絶対に違う!息子をバカにするんじゃない!」
「おばさん、真犯人が見つかりました」
「トジュン、釈放おめでとう」
「母さん、ちょっと考えてみたんだ。ジョンパルはなんで遺体を屋上に?みんなが見えるように?」
「(鍼の箱を)火事になった廃品回収業の家で拾ったんだ。落としちゃダメじゃないか」