Maoryu002

真昼の欲情のMaoryu002のレビュー・感想・評価

真昼の欲情(1958年製作の映画)
3.7
ジョージア州の農夫タイ・タイ(ロバート・ライアン)は祖先が金を埋めたと信じて、自分の土地を掘り続けていた。彼の子どもたちや、その夫や妻たちは仲が悪かったり、過去に恋愛関係があったりと、何かと落ち着かない。ある日、タイ・タイが町に住む息子に金を借りに行くが、そこで事件が起きてしまう。

オープニングこそ牧歌的な雰囲気なんだけど、登場人物みんながてんでバラバラに欲望と欲情ををさらけ出して、一族が珍道中を繰り広げるブラックコメディという印象だ。
ティナ・ルイス演じるグリゼルダの露出の激しいこと!男たちが身内で彼女を取り合う始末で、まともなのはロザムンドくらいだったんじゃないかな。

ただ、彼らの穴掘ってケンカしてという虚しい動きを観てると笑えてきちゃうのが不思議だ。
きっと、タイ・タイは自分の生きた証を何か残したかったけど、やり方が分からなくて穴を掘り続けてたんだろう。
最後にそれに気付いたわけだけど、あんなにあっさりみんなハッピーになるわけないよなー。

それでも、ラストシーンでまた穴を掘り始めるタイ・タイと、川の中の十字架という図柄はコメディとして秀逸。
ロバート・ライアンが珍しく笑わせてくれた。
アンソニー・マンらしくないけど、終わってみればなかなかの良作だった。
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