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真昼の欲情のHKのレビュー・感想・評価

真昼の欲情(1958年製作の映画)
3.5
なんだかジャケ写も邦題も煽情的ですが、かなり印象の違う作品でした。
というか、このジャケ写のシーンは記憶に無いんですけど・・・
原題は原作小説と同じく“God's Little Acre” (神の小さな土地)。

舞台は1930年代のアメリカ南部。
主人公の農夫は農業よりも先祖が埋めたという埋蔵金探しに熱心で15年間も一家をあげて自分の土地に穴を掘り続け、敷地内は穴ボコだらけ。

次男の美人妻のせいでたしかに愛憎劇パートもありますが、全体的にユーモアあり皮肉ありの不思議な味わいの人間ドラマでした。
アルビノが金を掘り当てる?

監督はジミー・スチュワート主演の西部劇の印象が強いアンソニー・マン。
主人公の初老の親父役は老けて見えますが当時まだ48歳のロバート・ライアン。
同じくマン監督の『裸の拍車』(1953)では完全悪役でしたが、本作では気のいい農夫を演じており、これほど始終にこやかなライアンを見るのは初めてか。

男たちを惑わす次男の嫁グリゼルダに本作がデビューのティナ・ルイーズ(ジャケ写の美人)。
ルイーズの元彼で今は長女の婿にアルド・レイ(『地上最大の脱出作戦』)。
一番若い三男はまだ“サンダース軍曹”になる前のビック・モロー(当時29歳)。

ジャズを絡めた劇伴はエルマー・バーンスタイン。
『荒野の七人』や『大脱走』を作曲するのはまだずっと後。
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