ミシンそば

真昼の欲情のミシンそばのレビュー・感想・評価

真昼の欲情(1958年製作の映画)
3.4
一時期アンソニー・マンにハマっていたことがあり、当時でさえ円盤は手が出せないような値が付いていたため今まで観ることができなかった本作。
同じ理由で観れなかった「最前線」から遅れること数日、U-NEXTで観れるようになっていたため鑑賞。

原作者コールドウェルの技量がストレートにこちらに伝わるよう、マン監督は手堅く仕上げている。

人と言うのは“自分の信じたいものを信じる”生き物なのだな、と嫌でも分かる現代西部劇(明らかに南部だが)。
自分の信じたい妄執のためなら人も拐うし、不法侵入もする。
現状を変えようと踠く者らが、そんな風にダメな方向に全力で舵を切るのが、大恐慌時代の南部って感じだ。
こんな物語では女性キャラの方がいろんな意味で強いことの方が多いな。

一応、最後は希望が見えた感じだけはするラストを迎えるのだが、我々が妄想で補完する必要がある地雷はいくつか埋め込まれたまま終わりもしたな。