三四郎

そよかぜの三四郎のレビュー・感想・評価

そよかぜ(1945年製作の映画)
3.0
ポプラ並木に そよ風吹いて
小鳥さえずる 愛の歌
にっこり笑って 足並み揃え
越えて行こうよ 野も山も
青春 青春 讃えよ青春

軽やかな美しいメロディと歌詞だと思って聴いていたが、大戦末期の映画『乙女のゐる基地』で歌われた「空から轟沈」の歌詞を変えたものだったようだ。並木路子はのびのある歌声で心地よい。

「旅の夜風」「蘇州の夜」のジャズ演奏、上原謙のトランペット、斎藤達雄のサックス、佐野周二のトロンボーン、上原謙は本当に演奏しているのだろうが、他の二人もだろうか?!筋はありきたりのものと言えるが、戦争が終わり、描きたいことが描けるようになったのびのびとした開放感が滲み出ている。女の幸せと結婚、そしてスター誕生について語っている。スターが誕生したかと思うと結婚して家庭に入り、しかしまたスターが生まれる。次々に新しいスターが誕生し、そして去っていくものだと。
「体温計のように感じやすい女」という科白が面白かった。

「空から轟沈」
見えた見えたよ椰子の葉陰に
機動部隊のメリケンが
ソーラ突撃別れのキーを
押してにっこり若櫻
轟沈轟沈空から轟沈

桜散るよなあの体当たり
邪魔だそこのけグラマン機
目指す空母をどかんとやらにゃ
大和男子の名がすたる
轟沈轟沈空から轟沈

富士と筑波を両手に抱き
大和男子は空の上
皇國になった愛機と共に
憎い米英ひとたたき
轟沈轟沈空から轟沈
三四郎

三四郎