佐藤克巳

そよかぜの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

そよかぜ(1945年製作の映画)
5.0
松竹が本作でヒットを飛ばせば、東宝は翌月「歌へ!太陽」で対抗した様に、敗戦の鬱憤晴らしには音楽映画とばかりの鮮烈な明るさと爽やかさを持つ佐々木康監督の秀作だが、当時の評論家の酷評は凄まじかったらしい。楽団員上原謙、佐野周二、斎藤達雄、高倉彰四人組が、後押しする照明係員並木路子の美声を活かすべくコーラスグループに転出をさせいよいよデヴューの運びとなったが、愛する佐野の暴言の辛さに母の故郷に帰り林檎園に癒され、「りんごの唄」を迎えに来た四人組と共に高らかに歌うのだった。上原の恋人で先輩スターに二葉あき子、歌手霧島昇、松竹歌劇団参加の軽快なミュージカルは、並木の明日のスター登場で幕が降りた。
佐藤克巳

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