TenKasS

異人たちとの夏のTenKasSのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
5.0
大林映画は男性目線のエディプス的な性嗜好とそれに伴うノスタルジーを心に触れるものとして描くのが上手過ぎる。嘘くささも全部味方につけてしまう。しかしその上手さを死人に生気を吸われるホラーとして異化していて、普通に大真面目になってしまった。素晴らしい。両親と別れる時に「ありがとうございました」なんて目を見て言えるだろうかとかそういうことを普通に考えた。
あとアフレコが凄かった。どの世界に生きているか分からない距離感。

仮に現在を生きる難しさが2020年代的主題なのだとすると…『異人たち』を早く観なくては。
TenKasS

TenKasS