富樫鉄火

戦禍の下での富樫鉄火のレビュー・感想・評価

戦禍の下で(2007年製作の映画)
4.0
#37 イスラーム映画祭9
今回が初鑑賞だが、心底、観てよかったと思った。
すごい映画だった。
第二次レバノン戦争の真っただ中で撮影を開始し、戦禍のドキュメント・フッテージを集めたあと、停戦後(それでもまだ爆撃などがつづく)に現地でドラマ部分を撮影し、合体させて劇映画にしたという、かなり特殊な映画。
そのため、映画としてのまとまりや統一性に欠けている嫌いはあるが、それを補って余りある迫力と説得力にあふれている。
主催者は、さかんに、今回のイスラエルによるガザ攻撃とそっくりの構図だと力説しており、たしかにそんな感じもしないでもないが、あまり「いま」と重ね合わせず、常に中東を襲っている悲劇の典型ドラマとして観てよいと思う。
こういう映画を、高校あたりの芸術鑑賞会で(解説付きで)見せるべきではないのか。
富樫鉄火

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