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殺し屋ネルソンのあのレビュー・感想・評価

殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)
4.1
身長を気にする方は、おそらくどんなに頑張っても他人の頭を無意識のうちに見上げてしまうと思うのですが、ネルソンはそれと同じように虚勢を張って銃を抜いてしまう。かなり悲惨な映画でした。

素知らぬ顔で厚底の靴を履いている方を見た時の居た堪れなさをノワール的に見せる面白さがありました。

途中池田屋事件みたいになっていたところはかっこよかったですが、若干ガチャガチャしていて、まあ普通に「暗黒街の弾痕」とかの影に隠れていて然るべき映画なんじゃないかとは思いました。あと黒つぶれが激しすぎて正直よく見にくいところも多かったです。

最後分かりやすく墓に行くよりも、単なる森に見えない国境を見せて終わった「暗黒街の弾痕」のラストの方が抽象的なのに残酷です。

こういう埋もれたB級の名作をあえて取り上げるのも大事だと思いますが、これを観た側は、手放しに褒めるよりも己の「殺し屋ネルソン」を見つけることの方が大事だと思いました。じゃあ僕は「のぞき魔バッドロナルド」というゲテモノでも勝手に推しておきましょうか笑

何よりもミッキー・ルーニーの目が徐々に据わっていく感じが、分かっているけど止められないかっぱえびせん的な悲壮感を漂わせていたのが良かったです。
あ