映画が始まった瞬間、これは大好きな映画だなと確信した。ずっと世界に浸りたいやつ。
とにかく中西部の寂れた風景とカントリーミュージックが沁みる。なぜか日本の原風景よりも郷愁を感じるというか、自分の故郷はテキサスなのだろうか…、とすら思う笑
ストーリーは、ヴィム・ヴェンダース×サム・シェパード(今回は主演も)の再タッグということで、本当に『パリ、テキサス』の焼き直しとも言えるもの。
若い頃から好き勝手やってきた男が、家族に対して責任を持とうとする物語で、家族を探しに行くロードムービー的展開も同じ。
でもやっぱり出ていっちゃうんだよなぁ…。本作でも『パリ、テキサス』でも感じた、あの「憧れ」の正体が、いまならわかる。
家族と生きる人生は本当に豊かで美しいと断言できる。でも何にも縛られずに自由に放浪するという、永遠のロマンに突き動かされてしまう気持ちもわかる。
理解はできるけど絶対に自分はやらない、だからこういう映画が好きなんだろうなぁ。