けんくり

アメリカ、家族のいる風景のけんくりのレビュー・感想・評価

アメリカ、家族のいる風景(2005年製作の映画)
4.5
映画が始まった瞬間、これは大好きな映画だなと確信した。ずっと世界に浸りたいやつ。

とにかく中西部の寂れた風景とカントリーミュージックが沁みる。なぜか日本の原風景よりも郷愁を感じるというか、自分の故郷はテキサスなのだろうか…、とすら思う笑

ストーリーは、ヴィム・ヴェンダース×サム・シェパード(今回は主演も)の再タッグということで、本当に『パリ、テキサス』の焼き直しとも言えるもの。

若い頃から好き勝手やってきた男が、家族に対して責任を持とうとする物語で、家族を探しに行くロードムービー的展開も同じ。

でもやっぱり出ていっちゃうんだよなぁ…。本作でも『パリ、テキサス』でも感じた、あの「憧れ」の正体が、いまならわかる。

家族と生きる人生は本当に豊かで美しいと断言できる。でも何にも縛られずに自由に放浪するという、永遠のロマンに突き動かされてしまう気持ちもわかる。

理解はできるけど絶対に自分はやらない、だからこういう映画が好きなんだろうなぁ。