似太郎

略称・連続射殺魔の似太郎のレビュー・感想・評価

略称・連続射殺魔(1975年製作の映画)
4.0
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劇中に流れるフリージャズ(阿部薫?)が印象的でやたら風景ばかりダラダラ垂れ流してる緩慢な欠点もあるのだが、連続射殺魔・永山則夫の一方的な視点から国家的幻想を打ち砕く如何にも若松プロらしいアプローチの作品。

監督の足立(出口出)は安倍晋三と統一教会への報復を企んだ山上徹也容疑者をモデルとした『レボリューション+1』にしろ本作に基本コンセプトが国家への反逆行為なので観るには相当な覚悟と勇気が要るが、インディーズ映画の極北という意味では価値のある映画じゃないかと思う。少なくとも私は。

この際、左翼思想云々はどうでもいい。本作は観たい奴だけ観て観たくない奴は観るな、という一見さんお断り作品なのだから。当時の日本の社会的背景を知るにはもってこいの映画。風化してるかも知れないけど。
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