ミシンそば

私の好きなモノすべてのミシンそばのレビュー・感想・評価

私の好きなモノすべて(1993年製作の映画)
3.9
日本ではまだまだ知名度低めな、スロバキアのマルティン・シュリーク監督作品。

「私の」なんてタイトルだから主人公は女性かと思ったが、冴えない感じのオッサン。
そのオッサン、離婚し、無職で、息子はバリバリ反抗期。
英国人の恋人とは、レイプと言うテイのプレイも初っ端からやってるくらいには仲良さげ。
彼の取り留めのない日常を描いた21の掌編をつなぎ合わせた結構変わった構成のがこの映画である。
(本当に1~2分程度で終わる章もあり)

再婚相手も決まってる前妻(主人公に愛憎入り交じった態度を取りまくる)や主人公の父親が若干エキセントリックな言動を取る以外には、劇的な展開もなく、誰も激しく傷つくことはない。
同時に主人公らが抱える問題も解決しないし、主人公がそれらに向き合い心持ちにはなるけど「スタート地点に立った」だけに過ぎない。

別に激しい感動とかはないけど、何だか良かったな、とは思える静かな映画だ。