ずっと気になっていたシャマランの3部作。最近U-NEXTに登録して、やっとサブスクで全作見られる体制になったので、満を持して鑑賞。
悲惨な列車事故で唯一の生存者となったデビッド。彼の姿をニュースで見たイライジャが、ずっとヒーローを探していた、君こそがヒーローだ、と押し掛けて来ます。最初は煙たがるデビッドだが、自身でも自分の能力に気付き始めて…。
シャマラン節が炸裂している上に、サスペンス仕立てなので、一風変わったヒーローものです。途中までは、ヒーロー誕生秘話なのかな？と思いながら見ていたけど、それだけに止まらない結末が待ち受けています。中盤までは淡々と話が進むし、陰鬱な雰囲気だし、ちょっと違ったかな、と思ったりもしたけど、だからこそ、ラスト10分くらいの衝撃がエグい。頭にガツンときました。
この作品は、表面上はヒーローの姿を映しながらも、実はヴィランの存在を浮き彫りにしています。描き方がとても上手。結末を知った後に作品を思い返してみると、深みが増します。アメコミ映画を見ていて、ヴィランって憎み切れないんだよな、と思っていたけど、その理由がこの作品でわかった気がします。誰でも何か拗らせることはあって、誰しもがヴィランになる種は持っているんだな、と。とは言え、この作品のヴィラン、結構な拗らせっぷりだし、結構なことしてましたけどね(笑)。
あと、流石シャマランと思ったのがカメラワーク。列車内のシーンなんて正直言ってなくてもいいような単調なシーンなのに、もうそれでグッと惹きつけられました。そんな場面が作品に散りばめられています。オールドの時からシャマランのこういう映し方が好きです。
