櫻イミト

愛の奇跡/ア・チャイルド・イズ・ウェイティングの櫻イミトのレビュー・感想・評価

3.5
カサヴェデスの監督3作目。「フェイシズ」(1968)から本格的に自主制作開始する前の作品。知的障害児施設をテーマにした人間ドラマ。バート・ランカスター、ジュディ・ガーランド、ジーナ・ローランズ共演の隠れた名作。

原題は「A CHILD IS WAITING(子供は待っている)」。邦題は的を得ていないと思う。実際の障害児施設の子供たちに出演してもらったことでドキュメントと劇映画がミックスされ真摯な問題提起となっていた。

カサヴェデス監督は最終的な最終編集権がなかったとのことだが、結果的に功を奏したのでははないかと思う。編集したのは本作のプロデューサー、スタンリー・クレイマーで、同じくバート・ランカスターとジュディ・ガーランドを起用した「ニュールンベルグ裁判」(1961)を監督している。

以前に、うつ病を患っていたジュディは、入院中に体の不自由な子供たちと会うことで癒しとなり、本作ではその経験を生かしたとの事。
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