YAZ

愛の奇跡/ア・チャイルド・イズ・ウェイティングのYAZのレビュー・感想・評価

3.7
カサヴェテス観る

知的障害者施設の話
父親に連れられ一人の少年が
訪れるオープニング
子供を預ける(手放す)ことが正しい
のか迷ってる父親

制作者スタンリー・クレイマーは
障害者を社会(家庭)から隔離すること
への疑問を投げ掛けてるようです

施設の責任者で心理学者クラークは子供
たちを特別扱いせずに時に厳しく接し
社会と接触する事は不幸であると考えて
るようです。
新任の音楽教師ジーンは愛情が必要だと
考え一種の隔離である施設の存在自体に
やや否定的で親との面会が重要だと
二人の対立が一つの軸です

最初に登場した少年の両親の葛藤が一つ
の軸です
幼児期から問題を抱えた息子にあらゆる
手を使い周囲との眼と闘うが、施設に預け
るのが彼に取って幸せという結論に。
愛してるからこその決断だと
二つの相反する感情が心の内でぶつかり
合うというのは後のカサヴェテス映画に
も見られるように思います
母親ジーナ・ローランズです

三つ目の軸は子供達の施設内での様子
リアルな表情をドキュメント風に捉えて
一番に生々しく魅力的
子供達は皆素人で障害を抱えた子供達

制作者とカサヴェテスは対立したようで
すが一つ目の軸に重きを置いてるので
言葉で押し付けるように問題提起する
社会派なハリウッド映画風なのが原因かと

二つ目と三つ目に重きを置けば観る側が
考える余地が拡がる少し違った映画に
成ったかもしれません

障害者については発達障害という言葉で
範疇が拡がり少し前では障害という括り
でなかった日常の振舞いも括りに入って
るのがプラスかマイナスかは分かりません
ですが社会生活が難しいような障害者と
呼ばれる人達に関して言えば変わらずで
当事者しか語れない重さは有るように思う
YAZ

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