真世紀

悪魔が最後にやって来る!の真世紀のネタバレレビュー・内容・結末

悪魔が最後にやって来る!(1977年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

1977年のイタリア、イギリス合作。「オーメン」で始まったオカルト映画ブームにイタリア映画界がのっからないわけがない。

カーク・ダグラスが演じる主人公ケイン社長はサハラ砂漠に原発建設を計画。ようやく着工にこぎつける。その建設予定地近くの古代のキリスト教徒の預言の洞窟の存在から聖書の黙示録の内容を意識しだす。破滅をもたらす七つの頭に十の角を持つ怪物と原発構造物の一致、さらには自身の息子が反キリストではという疑惑まで浮上。

そして周囲では計画に反対する人々が次々と落命。パーティーでケインを襲った刃物男がもみ合いとなり、その刃が計画撤回を迫っていたケインの妻の腹を裂く。建設予定地で政権交代、原発に反対する新首相が強風で下がったヘリコプターの回転翼先端に頭を吹き飛ばされる(ロメロ監督「ゾンビ」より早い!)。偶然やら事故やらが相次ぐ(本作、「オーメン」みたいに悪魔崇拝者が暗躍というのではないのよね)。ただ、反対者が落命という繰り返しは単調さをもたらすのも事実で、中盤は観ていてちと退屈した。

ついに自ら計画中止に動こうとしたケインだが…。本作、エンディングは二種有り、DVDにはインターナショナルバージョンという日本公開当時のとは違うのが収録だそう。両方収録してくれればいいのにねぇ。

原発と悪魔という組み合わせ、福島原発事故を経た今となっては珍品ホラーと単に切って捨てるにはいかない不気味さも感じる。というか、本作、チェルノブイリ(こちらもチェルノブイリという地名と黙示録中のニガヨモギとの符合なんて話があったなぁ)、スリーマイル以前なんだよな。

そして、現代日本、震災後の世論に反して原発再稼働を目論む安倍首相ら、ある意味、本作の反キリストより性質悪いよ!
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