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こうのとり、たちずさんでの犬のレビュー・感想・評価

こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)
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人物の走行と同じ速度でのフォローショットはアンゲロプロスらしからぬ疾走感で見応えがある。国境線に一歩踏み入れるかどうかの微々たる運動にこれほどの重厚な緊張感と憂いに沈むことはないし、その国境の隔たりとして川を挟んだ両岸による結婚式は紛れもなく崇高なショットの一つ。電柱に登って作業をしている労働者たちのロングショットがなんでこうも美しく儚げに撮れるかね。
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