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TATSUMI マンガに革命を起こした男のfreakishsenseのレビュー・感想・評価

3.6
劇画という漫画のジャンルを生み出した、辰巳ヨシヒロという漫画家の自伝と5つの短編が組み合わさった作品。

手塚治虫との数々の交流であったり、嫉妬させたり、劇画が生まれたきっかけなどをご本人のイラストや肉声で堪能できるのがとても良かった。辰巳さんの漫画のイラストを編集して動かすユニークな手法がとても面白いです。
戦後間もなくの時代の状況やその時代への風刺。生々しい人間関係、人間が醜さや愚かさを持ってもがき、苦しむ様を生々しく表現していく大人の漫画。それが劇画。劇画とは描写的表現を指す言葉かと思いきや全然違っていた。

作中に使われていた短編のひとつひとつが短いのにやたら心にずっしりと残る...1番最初のヒロシマの話が不意に始まり、覚悟出来てなくて結構なダメージが...でも紙ベースの漫画欲しいなあ...

こんなけ辰巳愛が詰まった映像が制作されたのは日本ではなくシンガポールってのも驚き。

この映画が公開されてすぐに辰巳さんが亡くなられ、本当にとても貴重な作品になりました。
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