白人が黒人を奴隷にしていたことはアメリカが一番有名だと思うけど、実はイギリスもやっていた。
イギリスの奴隷船が海をわたり、1100万人以上の黒人を奴隷として運んでいたのである。
今回はその奴隷貿易を廃止させようと、昔のイギリスの議員、ウィルバーフォースが議会で闘う話の映画を。
なんとこの映画、主人公の友人役に後のドクターストレンジを演じるベネディクトカンバーバッチが出演しています。
話の展開自体は、ウィルバーフォースを含めた様々な人物が、いくつもの運動を繰り広げて奴隷貿易を止めていく堅実なもの。
『体験談を書く』『実際に体験してどれだけ悲惨か知ってもらう』『奴隷商人の商品は買わない』
など、このやり方は今の時代とあまり変わりないんじゃないでしょうか。
僕が(おおっ!)と思ったシーンが一つあって、
それは物語終盤、どう頑張っても奴隷貿易廃止法案が通らないので、主人公が精神的に不安定な状態になってしまうのだけれど、
そんな時に機転を利かせて、一見奴隷貿易に全く関係ないようにも思える"ズル"にも近いある法案を通し、奴隷貿易に大ダメージを与えることに成功するところ。
確かに"ズル"なところはあるかもしれないけれど、こういうことが思いつくような人になりたいな。
人の権利を取り戻す闘いはその後、60年代の人種闘争や今の運動へと繋がっており、
その中にウィルバーフォース達の意思が、アメイジンググレイスの美しい旋律と共に残っていると信じたい。
バグパイプの音色に癒される。