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ヴェラ・ドレイクのpmのネタバレレビュー・内容・結末

ヴェラ・ドレイク(2004年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

1950年のイギリスが舞台。裁判に用いられるのは1861年の法律。それから70年以上経った今でもこの1861年の法律が適用されていて、この作品の主人公が行なった非合法な中絶や、その手助けをした者は、今でも最高で終身刑に科されることになる。

とはいえ手術ではなく薬剤による医学的中絶がイギリスで1991年に合法化されたことにより多くの女性たちが望まない妊娠から救われ、今では女性が自宅で薬剤を”自分で”飲むことができる。

一方で日本は中絶に関する法律が世界で最も早く成立したのにも関わらず、薬剤による中絶が認められたのは2023年4月。やっと1年が経ったところだ。それでも配偶者同意が必要で、欧米諸国のように女性が自宅で薬剤を自分で飲むことはできない状況。

ここに至るまでに一体何人の女性たちが苦しみ、そして何人の人間たちが闘ってきたのだろうか。そしてこの闘いはいつまで続くのだろう。少しでも気を緩めたらあっという間にこの権利を奪われてしまいそうで..。自分のためにも自分以外の女性たちのためにもこの問題を注視していく必要があると改めて認識させてくれた作品だった。

(誤情報があればすみません)
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