はちみつレモン

クローズ・アップのはちみつレモンのレビュー・感想・評価

クローズ・アップ(1990年製作の映画)
3.6
何気にキアロスタミ初鑑賞。
音楽はほとんどなく、会話劇で語られる。

「あなたの映画が心の支えだ。」

「私は映画を準備している気分になりたかったのです。」

映画監督を偽ったことで、一時的に映画監督であったことが彼を強くさせた。

お金がないと映画を作っちゃいけない、果たしてそうなのだろうか? 
でも"映画を利用してお金を稼ぐ"のは純粋じゃないのかもしれない。

立場や力を利用して自分を偽る。誰かを騙す。

「監督になって一家といるのが好きだったのです。いやしい心に流されて…」

信頼と裏切り。人間社会はその連続である。いけないことだとわかっていても、それをやる以上の強い動機が彼の中にはあったのだろう。

"監督も演技の一つです。"
"自分自身を演じる"