キミシマユウキ

ロスト・イン・トランスレーションのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

3.7
ハリウッド俳優のボブは仕事で訪れた日本で孤独に過ごしていたが、夫の仕事について来たアメリカ人シャーロットと出会い…

『マリーアントワネット』
『ブリングリング』の
!!ソフィア・コッポラ監督!!
の出世作。アカデミー脚本賞受賞
『ビガイルド』を観て他の娘コッポラ監督作を観たくなり鑑賞。


ひとときの恋、永遠の思い出


これは非常に好き。
言葉の通じない異国での孤独感に包まれた男女の友達以上恋人未満の絶妙な関係を描く繊細なドラマだ。
日本以外の国でも敢えて日本語で会話される部分には字幕がつかないらしくその演出をより際立たされる。留学経験があるとなんとなくこの疎外感というか文化の違いに戸惑うところが非常に分かる。分かりみ。
そして我々が見慣れすぎている東京という街が若き新鋭監督の目から見るとこんなにも新鮮に映ることに驚き。
普段ハリウッド映画の描く日本は

“俺の想像する日本はコレ!Yeah!”

に対してソフィアさんは

“私から視える日本はコレ。”

と等身大な日本を彼女のフィルターを通して見せてくれるのだ。
おかしいな、昨日もいた歌舞伎町の街がこんな風に見えていたなんて。

主演のスカヨハは全盛期レベル。
オープニングで彼女の魅力的なお尻のアップを数秒間も楽しめるのでそれだけで傑作なのだが(ケツだけに)、この時代の彼女は可愛らしさと色気が絶妙に混在していて最強。こんな人妻放って仕事できる夫の神経がわからん。
そしてビル・マーレイの哀愁。
落ち目の映画スターとして死んだ目がハマりまくり。自身のキャリアともマッチしたのかな?スカヨハとの絡みの時だけ見せる笑顔が無邪気で可愛らしい。
あとは藤井隆とかダイヤモンドユカイとかがウザイ日本人としてゲスト出演しております。この映画で一人でいいからCOOLな日本人だしてほしかったのも本音です。

妙にリアルだと思ったら監督自身の来日した際に経験したものを映画化した半自伝的な内容だったらしい。
ん?つまり落ち目の映画スターと何かあったのかな?(笑)
新作は微妙だったけどやっぱり追いかけてみましょう娘コッポラ監督よ。

ソフィア・コッポラ好き、外国人から見たリアルな東京を観たい方、そしてオープニングの美しいスカヨハのケツを見たい方にはオススメの作品。