ベトナムものなら俺に任せろ!
ベトナム従軍経験があるオリバー・ストーン監督が描いた、
一人の青年の物語。
主人公のトム・クルーズは、
祖父、父親とも従軍経験がある愛国主義者。
子供のころは、
ジョン・ウェインのグリーン・ベレーごっこをして遊んだり、
ハイスクールに入るとレスリングに打ち込んだりする、
まっすぐな青年だった。
アメリカはベトナム戦争に突入しており、
クルーズも祖父や父親同様、
志願して海兵隊に入隊する。
が、戦場は思っていたより過酷で、敵に撃たれ下半身不随になり、
パニックで味方を撃ち殺したりする。
帰還して、故郷に戻ってみると、世の中は反戦ムードに包まれており、英雄として参加したパレードでも、蔑まれたような冷たい視線を感じるのだった。
次第に酒に溺れ、
堕落していくクルーズだったが・・・
お話は、
いささか図式的で、先の展開が読めてしまう弱点はあるものの、トム・クルーズの好演と、スピーディーな編集で、
2時間半くらいの物語を一気に見せてしまう。
同監督の『プラトーン』が、
対立する二人の人物の葛藤に挟まれる主人公だったのに対して、
本作は、クルーズ自身の心境に眼目がおかれているため、
前作のような深い感銘と問いかけにみちたエンディングにはなっていない。
性的不能になったクルーズが、
メキシコの娼館であそぶ場面も不要に思われた。
ただ、
誤って射殺してしまった部下の家を訪問し、
部下の家族に許しを請う場面にはグッと来た。
『プラトーン』でバーンズとエリアスを演じた、
トム・べレンジャーとウィレム・デフォーが、
カメオ的出演。