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パリ20区、僕たちのクラスのtheocatsのレビュー・感想・評価

パリ20区、僕たちのクラス(2008年製作の映画)
2.7
パッケージの「一人の教師と24人の生徒の個々の交流を描いた感動ドラマ」というのはまるで嘘のようなキャッチコピー。
金八先生とか、シドニーポワチエ主演「いつも心に太陽を」などの熱血教師物語とは全く違うベクトルの映画。

真面目ではあるかもしれないが、不良生徒たちと時にはうまく融和することもあれば、言い合いの中で不適切言動を発したり、生徒を納得させることができず教師としての権威や校長に頼ったりするなど、スマートとは言い難い教師。
そんな教師と、無知・恥知らずであるがゆえのな生意気さと「ナイーブさ」を武器に教師たちを翻弄しようとする小狡い子供たちとの丁々発止のやり取りを描いた物語といった感じ。

で、結局うまくかみ合っていないような展開でありつつも、最後は全て有耶無耶なまま教師たちと子供たちの和気あいあい場面でフェードアウトしてしまうという不思議なエンド。

映画終了後に特典の日本版広告映像も見たが、案の定キャッチコピーの「感動ドラマ」路線を印象付ける物であり、各国映画人の称賛の言葉を並べたものだった。
それら賞賛の言葉の数々には目が真ん丸になり「それほど素晴らしい映画だというのに、何もポジ点を感じ取れなかった自分は単なるでくの坊だな・・・」と気落ちするしかなかった・・なんてことは実はなく、パルムドール作品でもこういうことはままあることであり、しょうがないと諦めるしかないね。笑
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