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恐怖の報酬のkazu1961のレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
4.3
🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-510 再鑑賞
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 459/1001

🖋子供の頃、テレビロードショーで何度か見て“ニトログリセリン”の怖さが非常に印象に残ったことを覚えています。とにかくニトログリセリンを積んだトラックの橋桁での迂回のシーンや、パイプラインから漏れ出たオイル溜まりを抜け出るシーンなどはずっと記憶に残っています。そして、今見てもやはり手に汗を握る傑作サスペンスでした!!

🖋ほんと文句なしの傑作で、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督&脚本の二部構成のプロットがお見事。前半部分1時間もかけて、貧困に喘ぎ一攫千金を狙う4人の男たちの生き様、人間性をしっかり描くことで、後半部分の人間関係や極限に追い込まれた時の本性などがより浮き彫りにされることにより、膨大な量のニトログリセリンをトラックで悪路を輸送する、その緊張感やサスペンス性をより高めることに成功しています。そして登場人物への感情移入も高めることに。結果148分の長尺を感じさせることもなく最後まで緊張感を持って鑑賞させられました。

🖋そして本作は実存的サスペンスの古典、危険物運搬をテーマにした映画の原点とされていますが、その奥底には辛辣な皮肉が融合していて、アメリカ資本主義の搾取構造や、極限状態におけるむき出しの人間性を浮き彫りにしています。そういう意味においても傑作であることは間違いない作品です。

🖋そして本作は『恐怖の報酬 (1977年の映画) 』-としてウィリアム・フリードキン監督、ロイ・シャイダー主演でリメイクされました。

😣物語は。。。(参考:allcinemaより)
メキシコにほど近い中米の町ラス・ピエドラス。マリオは同じ食い詰め者や札付きたちの集まるこの町で、恋人リンダや仲間のジョーと苦楽をともにしていた。そんなある日、町から500キロ離れた山上の油田で大火災が発生、犠牲者も続出してしまう。石油会社は一刻も早く消火させるため、ニトログリセリンの使用を決断。そこで危険なニトログリセリンを運搬する4人を賞金付きで募集し、マリオ、ジョー、ビンバ、ルイジが選ばれた。こうして彼らは2台の運搬車に乗り込み、現場へ向かうのだが…。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『恐怖の報酬(1952)』
原題(英題):『The Wages of Fear Le Salaire de la Peur 』
🎥製作国 :フランス
🎥初公開 :1953
日本公開 :1954/07/25
🎥上映時間 :148分
🎥受賞 :
第5回ブルーリボン賞 外国映画賞
第6回カンヌ国際映画祭 パルムドール 男優賞
🎥監督(製作):アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
脚本 :アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ジェローム・ジェロミニ
原作 :ジョルジュ・アルノー『Le Salaire de la peur』
撮影 :アルマン・ティラール
音楽 :ジョルジュ・オーリック
出演(声優):イヴ・モンタン、シャルル・ヴァネル、フォルコ・ルリ、ペーター・ファン・アイク

🔸Overview (映画. comより)———————
「二百万人還る」のアンリ・ジョルジュ・クルーゾーが一九五一年から五二年にかけて監督した作品で、中米を舞台に四人の食いつめ者がニトログリセリンを運搬するスリルを描いたもの。ジョルジュ・アルノーの小説をクルーゾー自身が脚色し、台詞をかいた。撮影は「夜ごとの美女」のアルマン・ティラール、音楽は「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックである。出演者はシャンソン歌手として日本にもよく知られるイヴ・モンタン(「失われた想い出」)、「独流」のシャルル・ヴァネル、クルウゾオ夫人のヴェラ・クルウゾオ(映画初出演)、「オリーヴの下に平和はない」のフォルコ・ルリ、「外人部隊(1953)」のペーター・ファン・アイク、「ヨーロッパ一九五一年」のウィリアム・タッブスなどである。なおこの作品は一九五三年カンヌ映画祭でグラン・プリを受賞、シャルル・ヴァネルが男優演技賞を得た。
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