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殺しのカルテのHKのレビュー・感想・評価

殺しのカルテ(1972年製作の映画)
3.0
ジェームズ・コバーン(当時44歳)が腕利きの医者に扮したブレイク・エドワーズ監督の医療サスペンスという変わり種作品。
日本公開直前にMGMの日本支社が閉鎖され劇場未公開になった幻の作品とか。
コバーンとエドワーズのもう一本のコンビ作『地上最大の脱出作戦』はコテコテのコメディでしたが、本作はエドワーズ監督の数少ないシリアスドラマの1本。

原作は『アンドロメダ病原体』『ジュラシック・パーク』のマイケル・クライトンが医学生時代に別名義で発表したもの。
原題は“The Carey Treatment”(ケアリー・トリートメント)
ケアリーは主人公(コバーン)の名前、トリートメントは“処置・処理”の意。
コバーンは白衣を着ても医者には見えませんが、劇中でも医者らしくない医者の役なのでまあアリでしょうか。

殺人の容疑をかけられた親友の濡れ衣を晴らすため、主人公の医者がハードボイルド探偵よろしく真犯人を追いつめます。

この頃のコバーンはレオーネの『夕陽のギャングたち』やペキンパーの『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』など代表作の多い全盛期のはずなんですが本作はいまひとつ。
共演は『思い出の夏』『スキャナーズ』のジェニファー・オニール(当時24歳)、『未知への飛行』『ロボコップ』のダン・オハーリー(当時53歳)他。

当時のさまざまな医療現場の問題も盛り込んであるようですが、全体的に地味で風変りな仕上がり。B・エドワーズ作品なんて言われなきゃまずわかりません。
意外にもアメリカではヒットした作品だそうですが・・・

音楽はB・エドワーズ作品なんでヘンリー・マンシーニかと思ったら『狙撃者』『シンジケート』のロイ・バッドでした。
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