sanana

ブロンクス物語/愛につつまれた街のsananaのレビュー・感想・評価

3.5

マフィア?の話。黒人とイタリア系移民、貧しい街での抗争。
正直暴力シーンが苦手すぎてほぼそういったシーンは見ていない。
ただ、今まで考えたいなと思っていたことが今回のテーマの一つにあった。

倫理とは正義とは。
ソニーは世間一般でいう犯罪者だった。
人を殺し、暴力で人を支配した。賭け事で儲けた。
でも小さい彼にとっては第二の父で大切な人。
優しくて、時には叱ってくれて、自分を認めてくれる存在だった。
差別をせず、彼の気持ちを尊重してくれる、正直父親よりも柔軟で寛容だった。
倫理って押し付けなのかな、正義って誰かにとっては正義じゃないのかな。
昔からずっと思っていたこと。
確かに倫理的には彼は間違っている。でも誰かにとっては愛すべき大切な人だった。
息子かもしれない、親かもしれない。
被害を受けた張本人ではないのに、人間性までも叩くのは違うのではないか。
自分の正義を倫理観を押し付けて当てはめて、近しくはない人を判断すべきではないのではないか。よく犯罪者や嫌われている人を世の中では中身がヤバい奴と一括りにしてしまうけれど。

ソニーは生涯孤独だった。人は恐れるから、自分のそばにいてくれる、慕ってくれると信じていた。
人をこんなにも思いやることができる人なのに、その才能を無駄遣いした。
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