ぜにげば

羊たちの沈黙のぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

やっと観たかった今作、遂に見ることができた。アマプラに感謝…と言いたいところだが、字幕が終わってた。
5分に一回くらい字幕が変だった。
字幕のせいもあってか集中出来ず、出てくる人名を覚えられず、顔もあんまり見分けがつかず、正直あまり理解できなかった。
ただそれでも面白かった。
最初から最後まで飽きが来ないというか、面白い作品は20分経ったくらいで自分が没頭してる事に気づく。

分からない事が多々あるのだが、周りの人間はみんなハンニバルに洗脳か催眠でもされているということなのだろうか。
やたらと過去を的中させるのは知ってるから?
エンドロールに入るくらいの時に飛行機から出てきた人は前の牢屋の医者?に顔が似てた気がするし、多分自分が気づいてないだけで他にもあるんだろう。

バッファロービルが服を背中からチョキチョキ切るのは蛹の羽化を表してるんだろうってのはわかったけど、だから何?と問われても何も答えられない。
ハンニバルが「変化」だとか言ってて、言ってる言葉は理解出来たけど、じゃあハンニバルが脱走した時に蝶みたいに磔にしてた意味はなんなのか?とかもさっぱり分からない。

エロスを感じる映画だってのはよくわかった。
みんながクラリスを見る目もそうだし、事実はっきりいってジョディ・フォスターの容姿エロすぎるもん。
その上でキモくもあった。

自分を否定するために性転換するみたいな話が出た時に、クラリスも過去が重めだったからこの先性転換する展開になるのかなとか、既に性転換してる人が紛れてるんじゃないのかなとか、色々勘ぐって見てたけどよく分からなかった。

蝶(蛹)についてと性についての大きく2つがこの作品の軸としてあるのは分かったが、それ以上は分からなかった。

ハンニバルの言ってる事のどこまでが真実かも分からないし、並べ替えの言葉遊びに意味があるのかも分からないし、本当に分からない。

ハンニバルが脱走した時の顔の皮を被るという手法は皮膚を剥ぐバッファロービルの手法と同じだし、ビルはハンニバルにとってのスケープゴート的な存在なのだろうか。
タイトルにもかかってるのかなぁ、いやぁ分からない。

難しい映画だけど、何回みても面白い映画だろうなってのは分かる。
分からない部分も、わかりやすい楽しめる部分も両方賞味期限は長そう。
また見たい。


~しばらく考えての追記~
性に関してはクラリスが過去に性暴力を受けてたって事なのかな。
子羊が意味するところは何なのだろうと深読みしまくってたけど、聞こえてきた“子供”の悲鳴って言ってたよな。羊の悲鳴と間違えるか?子羊と言ったのは防衛本能なのかなんなのか。
最後の電話で「ドクター」と何回も言ってたから、拠り所になってたのか。
中盤まで特に際立ってた男性のキモイ目線は、もちろん性的な目で見てはいるが、クラリスがそう感じてるっていうのも大きい。

ここまで考えて、ハンニバルの目的は何なのだろう。
人を食ってる以上サイコなのは揺るぎないけど、クラリスにトラウマを乗り越えさせるために仕組んだこととか?

終わり方もどこかクラリスに寄り添うような感じというか、言ってしまえばクラリスのためにわざわざ電話して「元気にやってるよ」って伝えてるようにも感じた。
心に傷を負っているクラリスはハンニバルに依存してて、それを最後の電話で少しほぐした感じ?

まあ多分一回見ただけの自分の考察なんて間違いまみれだろう。
映画見たあとにしばらく考える時間を楽しめただけでも最高の体験だったな。


~今作について語る動画を見た上での追記(解説動画では無い)~
かなり整理出来た。
クラリスにレクターの影を感じる自分の感覚は間違ってないけど、実は昔からクラリスと関わっていて操ってる…みたいな解釈は無くはないかもだけど深読みな気がする。
ちゃんとクラリスとレクターは心理戦をしてる。

レクター優位なのは間違いなくて、クラリスは自分の過去の事とかをさらけ出しそうになったりしながら本来の目的であるビル逮捕に向けて都度知恵を借りに行ってる感じだ。

整理が自分の中でできたからこそ、網羅的に書く気も起きず、展開について書きたい。
レクターが脱走する一連の流れがまじで面白い。
分かってても、多分何回みてもエレベーターの天井が体が垂れてくるシーンはビクってなると思う。
最後のナイトビジョンのシーンも面白い。
斬新だし、ここに来て相手目線にするっていう凄さ。そんでキモイ。
羊たちの沈黙のパクリって言われるに決まってるから他では見れないな。

ツッコミを入れるとするとしてもこのシーンかな。撃ち勝てるわけないやろ。
ナイトビジョン付けてるやつに暗がりで後ろ取られててなんで勝てんだよ。
その前からズケズケと進んでいくの危なすぎるし(だからこそヒヤヒヤできたけど)、ビルもなんで安全装置予め外しとかなかったんだよ。
ゲームが普及した今だからこそ、撃ち合いのリアリティに対してのみ指摘のしようはあるけど、それ以外はほんとに今見ても関係ないすごい映画だった。
自分の解釈が間違ってるところ合ってるところいっぱいあるだろうけど、正解を求めるのはやめる。解説動画は見ない。
また見た時のお楽しみ。

2024/05/21追記
レクターの超能力に匹敵する読む力を天才とそのまま受け取るか、別の所で催眠や洗脳を施しているから的中させてるように演出ができてしまうタイプの天才と捉えるかでキャラクターとの関係性とかの解釈が変わるな。
多分前者の方が正しくて、僕はレクターの天才的な的中能力を勘ぐって見ちゃったから後者を第一に考えてみちゃってた。
少なくとも言えるのはそれだけミステリアスで魅力的なキャラってことだな。
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