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ファントムのXXXXXのレビュー・感想・評価

ファントム(1922年製作の映画)
4.3
F.W.ムルナウの一作!この作品は本当に面白かった。これぞドイツ表現主義!サイレント作品です。

ドイツの小さな町、市役所に勤めるローレンツ。彼は自分の詩が世に知れ、有名になりたいッッ!!と空想していた。一方で、走ってきた馬車に追突されてしまい、馬車に乗っていた、女性に理想像を追い求めてしまう。現実と妄想があやふやになる中で、ローレンツは犯罪に加担してしまう。

ドイツのゲルハルト・ハウプトマンの小説を元にした作品だそうです。5章に分かれて構成されてます。
全体的に青みがかったモノクロと、茶色っぽいモノクロ、オレンジっぽいモノクロと、シーン毎に使い分けられていて、なんとなく意味ありげに見えましたね。

ちょうど、100年前の作品ですが、いやー現代にも通じます!結局、人間の自己顕示欲や社会との葛藤、思い通りにならない人生への苛立ちと、まるで僕らそのものを見てる感覚になりました。
詩人になる事を夢見て、馬車に轢かれて頭を打ってしまい、次第に精神錯乱していく青年が、我が事の様に響きました。笑
好青年のローレンツは、金が欲しい一心で詐欺まがいの商売をすることに。

「こんな家に住んでたら、心までカビてしまうわ!」と年老いた母親と実家を捨てて、出て行く女の子なんて、現代にもよくある光景!

パーティーで、シャンパン空けて大騒ぎして、タバコを蒸す女の子も、世相こそ違えど今の光景と全く同じ!
そして、1922年の出来事を調べたら、今とかなりリンクしていて、ちょうど戦火の時代へと一気に傾いている頃でした...。

とりあえずこの映画スゲー!ムルナウヤバいです!今や殆ど知られてない監督ですが、相当な才能を持った巨匠だと思います。
100年前の作品なのに、一切色褪せない映画凄すぎ...。こういう作品こそ、廉価版DVDとか出して欲しい。時間は掛かってもムルナウ全作制覇したい!

そういえば、帯状疱疹になってしまいました。涙
適度に休みながら、前向きに生きていきます!
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