ポンコツ娘萌え萌え同盟

ファントムのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

ファントム(1922年製作の映画)
4.0
恋の病、という言葉が現代ではあるけれども一目惚れしては、堕ちていく若き青年の日々のローレンツ。彼の瞳に映ったのは彼女だけれども。貧困、現実、そして夢のなかにあるアマチュア詩人が歩んだ過去、苦悩、アイデンティティ、と犯罪の罪が映像によって語られる。

映像の中に幻想が入り混じるのも面白いし、映像構成もいいが、基本的にワンカットで背景自体はあまり動かない(たまにちょっとだけ動く部分もある)のでカメラ自体は基本的に固定かなと思うけど、第5章の"Der taumelnde Tag…"のところでカメラワークを使ってたりこんな演出もあるんだなと思った。目がくらような日…と訳ではあるなけれど本当にそれが活かされてるように感じる。

でもそれ以外でも通常時からしても光の当て方、登場人物は画面を動くけれども、それで登場人物を映すにしても味わい深さを感じる。
そして何より恋で堕ちていく行く彼と、物語の中で貧困の中で弱る母が一層悲壮感と罪を映し出しているように感じる。