半兵衛

地の群れの半兵衛のレビュー・感想・評価

地の群れ(1970年製作の映画)
4.0
正直愉快な内容ではないし見ていてしんどさもあるのだけれど、差別される人間たち=聖なる存在という様々な創作作品にありがちな図式をかなぐり捨てて彼らのなかにも差別の構図がしっかりとあってそれが劇中の溝鼠同様逃げ出せない物であることをありありと示した力作でありよく熊井啓監督作品で取り上げられる『黒部の太陽』や『海と毒薬』よりももっと評価すべき一作だと個人的には考えている。

そして終盤の差別の連鎖による地獄は必見、その場所が長崎の佐世保というのがまた…。これを見ると『となりのトトロ』なんてまともに鑑賞できなくなる北林谷栄の熱演も凄まじい限り。
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