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女殺し油地獄のkazu1961のレビュー・感想・評価

女殺し油地獄(1957年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-486 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋何度も映画化されている作品ですね。近松門左衛門の人形浄瑠璃を実力派俳優陣で実写化した力作で、古典名作としてのストーリーテリングの面白さと、実力派俳優の演技合戦を堪能出来る作品です。

🖋️近松門左衛門の人形浄瑠璃は、人形を使うが故に、その物語の生臭さを抑制し、その物語の本質を伝えることにありました。それの実写化となると、その生臭さを映像を通じでダイレクトに観客に伝えてきます。そこに実力派俳優陣の演技が活きて来るんですね。

🖋️また逆に、その生臭さを映像で伝えると同時に、時代劇エンターテイメントとして見せるためにアグファカラーの煌びやかな色彩をふんだんに活用し、屋外では多くのモブ的なエキストラを配して、スケールの大きな時代劇に創り上げています。

🖋️そして、何よりも俳優陣の演技が素晴らしく、中村鴈治郎と中村扇雀(ほんとの親子)と三好栄子の別格の存在感と演技、さらに香川京子、新珠三千代、藤乃高子などもその演技と美しさで魅せてくれます。芦屋雁之助、市原悦子、山茶花究、桂米朝等、端役までほんと芸達者の俳優陣が脇を固めています。これだけでも見どころですね。

🖋️内容的には、原作を忠実に人の“業”による虚しさ、憤り、悲しさをラストに向けて一気に描いています。もうオープニングからその話のストーリーは概ね理解できてしまいます。クライマックスの前、親の愛に心痛くなりますが、結局はそのスピードのまま行き着く所までいってしまうクライマックス。。。特にこのシーンは歌舞伎的な演出を感じます。やるせないですが、この辺りの振れ幅の大きな展開がとても面白い作品です。

😔Story:(参考: 映画ナタリー )
河内屋の一人息子・与兵衛は遊女の小菊にいれあげて、莫大な借金をしてしまう。親からも親類縁者からも見はなされた与兵衛は、豊島屋の女房・お吉に相談に行くが、話がもつれ。。。

🔸Database🔸
・邦題 :『女殺し油地獄(1957)』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1957
・日本公開 : 1957/11/15
・上映時間 : 99分
・受賞 : ※※※
・監督 : 堀川 弘通
・脚本 : 橋本忍
・原作 : 近松門左衛門
・撮影 : 中井朝一
・音楽 : 宅孝二
・出演 : 中村扇雀、中村鴈治郎、三好栄子、香川京子、若宮忠三郎、新珠三千代、山茶花究、池田栖子、志摩多佳子

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
近松門左衛門の世話浄瑠璃『女殺油地獄』の映画化。「どたんば」の橋本忍が脚色、「「元祿忠臣蔵・大石最後の一日」より 琴の爪」の堀川弘通が監督し、「危険な英雄」の中井朝一が撮影した。主演は「「元祿忠臣蔵・大石最後の一日」より 琴の爪」の中村扇雀、「どん底」の中村鴈治郎、「地上」の香川京子、「遥かなる男」の新珠三千代、「どん底」の三好栄子、それに藤乃高子、山茶花究。色彩はアグファカラー。1958年2月5日より全国公開。
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