ゆっきー

女の一生のゆっきーのレビュー・感想・評価

女の一生(1958年製作の映画)
4.5
超絶すごすぎてワロタ。マリア・シェルが結婚した相手が結婚前からは想像もできないクズという。冒頭とラストがいずれも海辺で反復しているが、菜の花畑の斜面を下り降りてからの浜辺というあまりに美しい冒頭とは真逆の地獄のようなエンディングなのが最高。

撮影監督はクロード・ルノワール。
室内の暖炉の火の人工的なチラつきとかかなり好きで、そのチラつきが出会ったばかりの旦那の衣服に反射して、彼の情欲を表現していたり、画面手前の人物と奥行きをめっちゃ生かした遠近感バキバキの構図だとか、その辺が最高。
1番好きなのは旦那とピクニックに行く場面だが、画面手前の川岸で遊ぶ人々、中央に川と小舟、奥行きに向こう岸でくつろぐ人々を配置した横移動撮影がすんばらしすぎて、ゴダール『アワーミュージック』だとかスピルバーグ『ミュンヘン』のそれを思い出した。

んでこの旦那が劇中、つまりは結婚生活において笑うシーンが2回しかないという。1度目はメイドを誘惑する場面、ワインの瓶をラッパ飲みするメイドを見て笑う、2度目は鏡に映る自分の喉元をカミソリで掻っ切るマネをして笑う。ここヤバすぎて心の闇を感じざるを得ない。
結婚初夜で嫁の衣服の紐をナイフで切って脱がそうとする下りでコイツヤバい感出してるのも演出上手すぎ。
ゆっきー

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