あーさん

パリは燃えているかのあーさんのレビュー・感想・評価

パリは燃えているか(1966年製作の映画)
-
戦争がテーマの作品は定期的に観ようと思いながら機会を逸していたが、たまたまBSプレミアムでやっていたのを鑑賞。

禁じられた遊び、太陽がいっぱいで知られるフランスのルネ・クレマン監督による戦争映画。
脚本にフランシス・フォード・コッポラの名前が。
トリコロール🇫🇷とエッフェル塔のジャケットが斬新。

実際の映像を挟みながら、ドキュメンタリーのような形で進む。が、、パリ解放の史実にそこまで詳しくない私は、どこをどう観たら良いのか。。

アラン・ドロンを始め、ジャン=ポール・ベルモンド、イヴ・モンタン、カーク・ダグラス、オーソン・ウェルズ…他、かなり豪華なキャスト陣なのが見所らしいのだけれど、皆同じような格好で揃いも揃って英語を話しているから(パラマウント配給だから?これはおかしい!)、何が何やら、誰が誰やら⁈
流石にジャン=ポール・ベルモンドはわかったけれど(ジョージ・チャキリスも!)あとは見たことあるけどあやふや?でよくわからず。。超有名な役者さんばかりなのに…(年月が経つとかなり風貌が変わってしまうから、観たことがある作品はあれど、言われなければ判別できない💦)。
これは、先にキャストや歴史的背景がわかっていないとダメなヤツだった!

しかし、ヒトラーが出したパリを焼き払え!との命を拒否して無条件降伏したドイツの将軍がいたとは!(この経緯は有名な話なのかもしれないが、よく知らなかったので、相変わらず歴史に疎過ぎる自分が恥ずかしい。。)

実話ベースなので、ハラハラしたりドキドキしたり、というよりも歴史をそのままなぞっていく展開⁈

背景を知らなくて戦況が読めないので、民間人が普通の格好でパリの市街地に出てきたりするのがよくわからない。(危なくないの⁈)この時期、日本人は確かもんぺ姿に竹槍、バケツリレー。。ギャップがすごい!

ラストでは電話の声がヒステリックに響き、ヒトラーの心の闇の深さを象徴していた。。(あんた、曲がりなりにも画家になりたかったのではないのかい⁈本当に芸術を愛していたら、そんなことは言えないはず…)

それにしても、パリ育ちのスウェーデン総領事、よくぞ。。
それぞれの思惑で刻々と変わる戦局、一か八かのやり取りが功を奏することもある。諦めてはいけない!!
そして、ドイツのコルティッツ将軍の英断!

パリの美しい歴史的な街並みが今も見られるのは、こんな一幕があったからなのだ。。


**パリ解放(1944年8月25日)→観てからにわか復習!

主要人物・背景
🇫🇷自由フランス軍(解放軍)
シャルル・ド・ゴール、
フィリップ・ルクレール大佐
→ヴィシー政権(傀儡)

🇫🇷レジスタンス(共産党系)
アンリ・ロル=タンギー大佐(ブリュノ・クレメール)、
ジャック・シャバン・デルマス大佐(アラン・ドロン)

🇩🇪ドイツ軍
ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍(ゲルト・フレーべ)

🇺🇸アメリカ軍
ジョージ・パットン将軍(カーク・ダグラス)

🇸🇪ラウル・ノルドリンク スウェーデン総領事(オーソン・ウェルズ)

これはまた、歴史を紐解いてから改めて観直したい。
ヨーロッパの国々の複雑な関係が、改めて浮き彫りに。
ここから今に繋がっているのだな。国内でも考えがまとまっていなくて割れているというのがまた…お上に従うのではなく、自ら立ち上がる国民性をまざまざと感じさせられた。


*関連の作品

鉄路の闘い
史上最大の作戦
プライベート・ライアン
レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち
チャーチル・ノルマンディーの決断
パリよ永遠に!


日本・アメリカだけが舞台ではない違う切り口の第二次世界大戦の作品も、機会を見つけて観ていきたい。
あーさん

あーさん