kazu1961

パーフェクトブルーのkazu1961のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.4
▪️Title :「PERFECT BLUE(1998)」
Original Title :※※※
▪️Release Date:1998/02/28
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-194 再鑑賞
▪️My Review
今敏監督の出世作となった作品ですね。
初見の時はこの暴力性や性描写を大胆に表現したアニメの今敏世界観に仰天しました!!
私は今まで観たアニメの中でもトップクラスに位置づけています。
基本はダークで洗練されたサイコスリラーの体を表現してますが、今敏ワールド全開のより深いメッセージが込められていますね。
本作には原作があり、監督自身が立案した企画ではないものの、原作者の許可のもとで大幅なアレンジを加え、今監督自身のテーマ性が強く押し出された作品になっています。
今敏監督は一貫して、虚構と現実を画面の中で区別なく等価に扱うことで、人間の存在の根本を問い続けてきました。今監督は本作を「仮面(ペルソナ)」の話であると語っています。主人公未麻がドラマの中で繰り返した「あなた、誰なの」という台詞に全てのテーマが込められいます。アイドルの未麻もペルソナ、女優の未麻もペルソナ、結局は本当の自分は何処にもなく、周囲の人によって規定されるものだというのが根底に流れてるテーマなんですね。(ラストシーン近くてで鏡で見る姿だけが残る本当の姿を映し出します)
本当深い、そして本当怖い作品です。。。
メディア環境が高度に発達した現在では、インターネットやSNSで大多数に自分が認識されることがありえます。そんな無数の「リアル」に触れているうちに、主人公未麻のように自分のイメージが揺らいでしまう感覚は、現代人なら少なからず実感したことがあるのではないでしょうか。。
20年前とは思えない深い洞察、テーマ性、今敏ワールドに脱帽です!!

▪️Overview
アイドルから女優へ転身を果たした主人公が遭遇する、悪夢の日々を描いたサイコ・スリラー・アニメーション。監督は今敏。竹内義和の原作を基に村井さだゆきが脚色。声の出演に岩男潤子ら。FANT・ASIA'97 PUBLIC PRIZE FOR THE BEST ASIAN FILM(グランプリ)受賞作品。国内でのレイティングはR-15指定、その他ほとんどの国では18禁。大友克洋が海外展開のスペシャルスーパーバイザーとしてクレジットされたことにより、本作は世界中の映画祭で上映されることとなった。世界をめぐる中で本作に対する批評が寄せられた結果、本作は今の出世作となった。
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