牧野

パーフェクトブルーの牧野のネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

3回目視聴。1時間半で最高の気分になれる映画!大好き!

今までは4つの殺人はマネージャーのルミが犯人だと思ってたけど、もしかしたら第二の事件カメラマン殺害は未麻かもしれないと思った。

パーフェクトブルーのネタバレ。

ルミが起こした殺人事件
第一 監督殺害
動機:美麻にストリッパーの役を与えレイプシーンを演じさせた
第三 ミイマニアの頭を金槌で殴ったのは未麻だが、その後レイプ(未遂)に気づき目を刺して殺害
動機:未麻をレイプして汚した
第四 田所殺害
動機:次回作もお色気シーンがある

ルミは未麻=自分だと思っている(二重人格)

第一の監督殺害、未麻は女優として頑張ろうと思っていた(目は死んでたけれど)が、第二のカメラマン殺害では未麻自身がヌード撮影を嫌がっており動機がある。(尚、撮影の現場にルミはいなかった)

第二のカメラマン殺害が未麻である理由
⚫︎原宿に服を買いに行った記憶はないが、写真はネットに載っており未麻が服を買ったのは現実。
⚫︎第一三四の事件(監督・ミイマニア・田所)は未麻の元に物的証拠となるものはないが、カメラマン殺害時の血のついた服のみ未麻の部屋から出ている。
⚫︎ 幻覚の未麻は本物の未麻がいる時に出現している。カメラマン殺害時は未麻は一人だけ。
⚫︎第一三四の事件は死体の描写しかないのにカメラマンだけは殺害シーンがこれでもかという程描かれている。
(凶器にルミと同じアイスピックを選んだことは説明できない。)

ラスト、自分のことを未麻だと思い込み精神病棟に入っているルミに未麻が会いに行く。
「お忙しいでしょうに」
「時折ルミさんに戻ることもあるのですが」
「もう会えないのは分かっているんです。でも、あの人のお陰で今の私があるんですから」
からの、未麻の最後のセリフ「私は本物だよ」

“ルミのお陰で今の未麻がある”四つの殺人が全てルミによるものなら辛い過去があった女の子の前向きな台詞にしか聞こえないけれど、第二の殺人だけ未麻が起こしたものならその罪をルミに擦りつけて自分は女優として成功できたという意味の“あの人のお陰”なのでめちゃくちゃ恐い。ダブルバインドの中で仕事を聞かれ「アイドル…いえ、女優です」と言っていることから、未麻は女優として生きていくことを決心していると思うのだが、ラストシーンの未麻は“アイドル辞めたらマネージャーが関係者四人を殺した可哀想な女の子”を演じ続けて生きていく、そういう意味の“女優”なのかもしれないと思うとやっぱりめちゃくちゃ恐い。

見るたび発見があり面白い。
2021.09.22



パーフェクトブルー、ホラー&サスペンスと聞き怖いの苦手なのでネタバレ読んでから視聴。話を知っていてもぞわぞわする怖さ...そして、現実と虚構が混ざり「あなた...誰なの?」自分の知らないところで虚構のわたしがころしたの?わたしはわたしなの?現実の未麻とドラマ「ダブルバインド」とルミ目線と夢が切り替わり、視聴している私もどれが本当なのかわからなくなって不安になる感じ、映画の中の未麻と同じ気持ちを感じることができ良かった。(部屋の衣装タンスから血のついた服が出てきた時は本当に未麻がころしちゃったのかと思った...)自分で自分のことがわからなくなる感じ、精神が分裂するってこんな感じなのかも、体感できるのが本当にすごい。
アイドルから女優に...レイプ演技シーン、演技だとわかってはいるのに男からの、たくさんの人に囲まれて向けられる視線、怖い、辛い、しかも2回もさせられんの...しんど...という未麻の気持ちにめちゃくちゃ感情移入させられるの良かった。
ストーカーにレイプされそうなシーンも怖かった。ルミが追いかけてくるシーンも怖かったああ。ルミのアイドル衣装から肉がはみでるあの姿が鏡に映った時にだけ見えるの良かった。
ラストシーン「わたしは本物だよ」(にこっ)こんな事件があったのに、未麻のしたたかさすごい。このラストで良かった〜爽快。(と思ったけどラストの数年後の未麻は映画の未麻の性格と...ほんとに同一...?あなた...誰なの?)
2019.08.10
牧野

牧野